以下のQ&Aは、今までに、石膏ボード工業会に寄せられたさまざまなご質問にお答えするものです。以下に示します回答は当工業会の見解になりますが、最終的には建築主事の判断が優先します。よりよい住宅の建築に活かしていただければ幸いです。
- 材料
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大臣認定
- 石膏ボードのNM-8612とNM-8619の違いは何ですか?
- 認定書に記載されていない事項はどうしたらよいのでしょうか?
- 防火構造要求の部位に準耐火構造の仕様を使用することは出来ますか?
- 下地材の詳細が構造仕様の概要にうたわれていない場合、何を使用しても良いのですか?
- 防火構造等において小屋裏の防火被覆は必要でしょうか?
- 防火構造の屋内側被覆は石膏ボード9.5mm、合板等は4mmとなっていますが、 それぞれその厚さ以上の場合は認められるのでしょうか?
- 防火構造の場合、グラスウール75mmを充てんし、内装に石膏ボードは張れるのでしょうか?
- 認定書の図面では、間柱間隔が455mmとなっていますが、メーターモデュールの場合は、500mm間隔で施工しても良いですか?
- 準耐火構造60分で告示では「強化石膏ボード16mm」、工業会認定は「強化石膏ボード15mm」となっていますが、その違いは何ですか。
- 各認定の「別添」の図面に記載のある通りに施工しなければならないのでしょうか。図面に無い納まりは認定の範囲外になるのですか。
- 旧建設省告示第1358号、1380号の例示仕様における準耐火建築物への石膏ボード被覆材の留め付け方法は?
- 施工方法
材料
- 石膏ボードは、プラスターボード、ウォールボードとも言われていますが、正式名称は何ですか?
- アメリカではジプサムウォールボード、 イギリスではプラスターボードと呼ばれています。日本ではJIS規格で石膏ボードと呼ばれています。
- 石膏ボード(GB-R)と強化石膏ボード(GB-F)の違いはなんですか?
- どちらも石膏を主原料にした材料ですが、強化石膏ボードは、石膏ボードより、耐火性と耐衝撃性を向上させるために石膏の芯に無機質繊維を混入させています。
- 石膏ボードの厚さ、サイズはどの程度できますか?
- 標準サイズについては、JIS A 6901にある「厚さ」、「長さ及び幅」の表を参照願います。また、個々の製品対応についてはメーカーにお問合せ下さい。
- 石膏ボードに防水性はありますか?
- 普通石膏ボードに防水性はありません。防水性を高めたシージング石膏ボードがあり、洗面所等の一時的な水掛かりに耐えられる防水性があります。そのため、常に湿気が著しく、結露の絶えない箇所での使用できません。
- 石膏ボードはホルムアルデヒドの放散量の区分でF☆☆☆☆ですか?
- 石膏ボードは、ホルムアルデヒド発散建築材料ではありません。告示対象外の建材ですので、ホルムアルデヒド発散等級表示(星マーク)はありません。
- 石綿が含有している石膏ボードの見分け方を教えて下さい。
- 設計図書等で製品名や製造会社が分かっている場合は国土交通省/経済産業省「石綿(アスベスト)含有建材データベース」により確認するか、当工業会又は製造会社にお問い合わせ下さい。不明の場合は、分析によりの有無を判断して下さい。
- 石膏ボードにカビは発生しますか。
- 湿度が高くなった場合は、カビが発生する恐れがありますので、十分に換気又は除湿を行って下さい。
大臣認定
- 石膏ボードのNM-8612とNM-8619の違いは何ですか?
- NM-8612(旧通則指定不燃第1003号)とNM-8619(旧通則指定不燃第1027号)とでは、比重が異なります。NM-8619は軽く、現在、市場に流通しているのはNM-8619になります。
- 認定書に記載されていない事項はどうしたらよいのでしょうか?
- 建築主事等の判断となりますので、特定行政庁、指定確認検査機関に確認してください。
- 防火構造要求の部位に準耐火構造の仕様を使用することは出来ますか?
- 必要性能以上の構造であれば使用可能です。必要性能が防火構造であれば、防火・準耐火・耐火構造が使用可能です。
- 下地材の詳細が構造仕様の概要にうたわれていない場合、何を使用しても良いのですか?
- 認定上は特に制約を受けませんが、構造上有害な影響がないことを確認する必要があります。
- 防火構造等において小屋裏の防火被覆は必要でしょうか?
- 対象となっている部位が外壁の屋内側とみなせる場合は、外壁として認定を受けている仕様の屋内側被覆に準じなければなりません。ただし、対象部位が軒裏で遮られている場合は不要です。「建築物の防火避難規定の解説 2005、日本建築行政会議編集、(株)ぎょうせい発行」に示されている図は、以下のとおりです。以下のホームページが参考となります。
- (1) 防火材料等関係団体協議会
- (2) 神奈川県建築行政連絡協議会
- 防火構造の屋内側被覆は石膏ボード9.5mm、合板等は4mmとなっていますが、それぞれその厚さ以上の場合は認められるのでしょうか?
- 石膏ボード、合板等については厚みが増すほど防火上は有利になると判断しております。
- 防火構造の場合、グラスウール75mmを充てんし、内装に石膏ボードは張れるのでしょうか?
- 不燃材として認められているグラスウール(ロックウール含む)を充てんしても防火上の問題はなく、さらに石膏ボード(厚9.5mm)を張っても問題ないと判断します。
- 認定書の図面では、間柱間隔が455mmとなっていますが、メーターモデュールの場合は、500mm間隔で施工しても良いですか?
- 認定書の図面にある通り間柱ピッチは455mmで施工してください。メーターモデュールの場合は500mm間隔の認定が必要です。
- 準耐火構造60分で告示では「強化石膏ボード16mm」、工業会認定は「強化石膏ボード15mm」となっていますが、その違いは何ですか。
- 強化石膏ボードには、レギュラータイプのGB-Fと耐火性を更に高めたGB-F(V)およびGB-F(N)の3種類があります。告示では何れのボードも対象としているため16mmとしていますが、工業会認定では、(V)か(N)の2種類だけを対象としており、この2種類はGB-Fより耐火性があるため15mmで使用可能となっています。
- 各認定の「別添」の図面に記載のある通りに施工しなければならないのでしょうか。図面に無い納まりは認定の範囲外になるのですか。
- 図面はあくまで代表的な例示です。 図面に表わしきれない納まりについては「別添」の認定条件から判断されることとなりますので、詳細については特定行政庁、指定確認検査機関に確認してください。
- 旧建設省告示第1358号、1380号の例示仕様における準耐火建築物への石膏ボード被覆材の留め付け方法は?
- 建設省住宅局建築指導課、日本建築主事会議監修の「準耐火建築物の防火設計指針」(財)日本建築センター編集・発行を参考にして下さい。
施工方法
- 石膏ボードを室内プールの下張り材として使用可能ですか?
- 常に湿気が著しい、結露が絶えない、漏水が発生する恐れがあるなどの過酷な条件の部屋(地下室、浴室、屋内プール、サウナ室等)の天井、壁への使用は、吸水による強度低下が発生し、石膏ボードの剥落や落下の恐れがありますので、避けて下さい。
- 石膏ボードに直接、エアコン等の重量物を取りつけても大丈夫ですか。
- 重量物を取り付ける場合は、荷重に耐え得る木造下地、鋼製下地及び補強板を使って施工して下さい。
- 石膏ボード製品の長期暴露耐熱温度を教えて下さい。
- 石膏ボード製品の長期暴露耐熱温度の上限は 50℃です。50℃以上で長期間さらされると、石膏(二水石膏)の結晶水が徐々に減少するので、石膏ボード製品としての強度が低下するとともに防火性能も低下しますので、50℃以上となる場所への施工は避けて下さい。