石膏ボードの芯材は無機質の石膏ですので、燃えることはありません。石膏には、約20%の結晶水が安定した形で含まれています。これは、ボード1枚に、3kgの水を含んでいる計算になります。火災時に石膏ボードが高温にさらされるとこの結晶水が水蒸気となって徐々に放出され、温度の上昇を遅らせる働きをします。また、石膏そのものが、伝熱を防止するバリアの役割を果たします。石膏ボードは、こうした石膏の特性によって、防火材料に認められています。そして、壁の防・耐火構造の材料として、あるいは柱や梁の耐火被覆材として多用され、火災の延焼防止に効果を発揮しています。
「石膏」は2分子の結晶水をもつ硫酸カルシウムで、通常「二水石膏」と言います。
「二水石膏」は120℃~150℃に加熱すると結晶水全体の3/2を失って「焼石膏」になります。
「焼石膏」に水を加えると化学反応を起こし、再び元の「二水石膏」に戻って固まります。
この性質を利用し、2枚の厚紙(原紙)の間に水で練った「焼石膏」を流し込み、板状に固化させて、石膏ボードはできています。詳しくは「動画でみる石膏ボード」をご覧ください。